「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」メモ

はじめに

 「流行りものだから」という程度の理由で読んでみました。
 まあ、話のネタになることもあるかなぁと。
 わりと重大なネタバレを含みます。

本書の面白かったところ

非営利組織への適用

 小説という形ではありますが、非営利組織に「マネジメント」を適用してみようとしたところが一番の見所かなぁと。
 P50で登場人物がその点を面白がる部分がありますが、読者にとってもそこは面白がっておく部分だと思いました。
 これはすなわち「「マネジメント」は、幅広い組織に適用可能なのではないか?」という筆者からのメッセージとも言えますし。
 実際に適用可能なのかは、私には判断つかないけれども。

扱う品を好きでなくとも真摯にはなれるということ

 主人公のみなみは実は野球を嫌いである。
 心の底から嫌いなのかについては描かれないので、どの程度嫌いなのかは不明なのですが。  では、みなみが真摯でないかというとそんなことはなくて、真摯にマネジメントに取り組んでいるんだよね。
 ストーリー上の必然性からの設定かもしれないが、作者からのメッセージなのかもしれない。

ちょっと歪んだ視点からみた本書の面白かったところ

「マネジメント」と真剣に読みこむところ

 みなみが何回か「マネジメント」を真剣に読みこむ箇所があって、宗教じみたものを感じてしまった。「答えはきっとこの中にある」と信じて読みこむ描写だったので。

 おそらく私は「仮説→検証」というプロセスが押し出されてないものについては、宗教的な匂いを感じてしまうのだろう。

さいごに

 ワインバーグ好きとしては、「SEがワインバーグの『コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学』を読んだら」とか誰か書いて欲しいと思った。