読書メモ:WicketによるWebアプリケーション開発
はじめに
オープンソース徹底活用WicketによるWebアプリケーション開発(2009/03/19、秀和システム、矢野勉)を熟読にはまだほど遠いのですが、ある程度読みましたので、感想をメモします。
本編以外の箇所
本編のクオリティとは関係しないのですが、でもメモしておきたい感動したポイントがあります。
それは帯と「はじめに」です。
下に帯の文言を引用します。
サーバサイドにオブジェクト指向を取り戻す!
帯の文言と「はじめに」の内容を読んで、私はぐっときました。
この帯で使用されている「オブジェクト指向」と言う単語に実際どんな意味がこめられているか、私は知りません。
ですが、Javaらしさを殺して開発することに私は不満を持っておりました。そして、そうすることがあまりに長く続いたため、JavaをJavaらしく使うことを諦めていました。
なので、「サーバサイド開発において、Javaらしさが欠けていることに不満を持っていて、それをどうにかすることに価値を感じている人が居る。そして本まで出してしまう」ということ。このことに熱いものがこみ上げるわけです。
本編について
「ここまでWicketについて調べていて、2800円+税は気前よすぎない?」というのが第一の感想です。
「Wicket in Action」という私の中でこれまでバイブルのポジションにあった本があるのですが、「オープンソース徹底活用WicketによるWebアプリケーション開発」は
「Wicket in Action」を上回っている箇所がいろいろあります。
例えば「Appendix」の「Wicketの設定項目」は、「Wicket in Action」の同種の解説を上回っていると感じます。
「Wicketのことだから、ここの動き変えられるんだろうけど、どう変えるんだ…?」ということにたびたび時間を取られていたのですが、この章のお陰で調査時間のかなりの短縮が期待できます。
ここに載ってなかったら、「じゃ、オーバーライド可能な箇所を探すか」という次の調査にすぐ移れますので。
他にも細かいところについて気が利いてます。
wicket.extensions.ajax.markup.html.modal.ModalWindowを使うと「これ、どの程度見た目変えられるの?」という疑問を持つと思うのですが、それに対する調査結果が「Chapter 6」に記載されています。
買う前に「本書の読み方」は読むべき
良い本なのですが、買う前に「本書の読み方」に記載されている「本書の対象」は読むべきです。
例えば、「Javaの文法は知っているけれど、入門書の例題を越えるようなプログラムを書いたことはない」というレベルの人には敷居が高い本です。
そのような人は、@ITのJSP/Servletでも参照して、Javaを使用したWebアプリ開発について軽く勉強をしてから本書を読むと言った工夫が必要になるかと思います。